鍼と蜜

〜はちみつと鍼灸〜

「朝すっきり起きられない」

「夜の寝つきが悪い」

「冷えが気になる」

「疲れやすい」

「お通じが毎日来ない」

「不妊に悩んでいる」

「生理痛がつらい」

など、こんな症状に悩んでいませんか？

もしそうだとしたら、それは体のエネルギー不足のサインかもしれません。

◆糖とエネルギー

私たちの身体はエネルギーによって動いています。

そのエネルギーを作るメインの材料となるのが糖です。

「糖を材料にして細胞がエネルギーを生産する」、これはとてもシンプルな法則です。

ですから、今どんな症状を抱えていたとしても、何らかの病気や慢性疾患があったとしても、エネルギーがあればそれらのトラブルに対処することができると考えています。

裏を返せば、症状を抱えていたり、病気や慢性疾患があるということは、すなわち、「エネルギー（糖）が足りていない」ということを意味しています。

いかがでしょうか？もし冒頭に挙げたような症状があった場合、糖が足りていないということに思い当たるふしがありませんか？

◆糖は悪者？

糖というと、少し前に「糖質制限」が流行ったように、悪者のイメージが強いかもしれません。いまだに「甘いものは体に良くない」「白砂糖は身体を冷やす」「白砂糖は中毒になる」という言葉をよく耳にします。

しかし実際には、身体を冷やしたり、中毒になるのは、遺伝子組み換えのトウモロコシやビート（甜菜）から作られた人工シロップなのです。この人工シロップは「ブドウ糖果糖液糖」や「コーンシロップ」という名前で、ありとあらゆるお菓子やジュース、加工品に含まれています。この人工シロップは、私たちの代謝を落とし、身体にダメージを与えて病気の原因となってしまいますので、絶対におすすめはしません。

話を白砂糖に戻すと、確かに、精製されてできた白砂糖には、黒糖が持っていたビタミンやミネラルはほとんど残されていないので、身体でエネルギーとなるためには、体内にあるカルシウムやビタミンB群が使われてしまいます。「白砂糖は身体に良くない（体内のミネラルバランスが崩れる）」と言われているのはこのためかもしれません。しかし、実はその白砂糖ですら、糖を摂らない（糖質制限）よりも、摂った方が身体にずっと良いのです。

◆良質の糖とは？

それでは、実際に糖を摂るには、どんな糖を選んだら良いのでしょうか？

私がもっともおすすめしているは、はちみつです。無農薬の果物でも良いのですが、日本ではなかなか入手が難しいように思います。（はちみつも、本物を入手するのはとても難しいのですが…。）

なぜ、はちみつをおすすめするかというと、はちみつはブドウ糖（グルコース）と果糖（フルクトース）という単糖類の集合体であり、これ以上の分解の必要がないので、私たちが自分の身体で代謝分解するためのエネルギーを使うことなく、即効性のエネルギー源としてすぐに利用できるからです。

鍼灸治療の現場に立っていて思うのが、現代の日本人はエネルギー不足の人がとても多いので、代謝分解に使うためのエネルギー消耗ですら節約して、すぐに使えるエネルギーを確保したいところなのです。

また、はちみつの優れている点はそれだけではありません。エネルギーを生産するには、ビタミンB群とミネラルが必要になってくるのですが、はちみつには、これらのビタミンB群とミネラルも含まれているので、まさに「完全食品」なのです。

◆はちみつは現代人を救う

さらに、はちみつが本当の意味で現代人を救う神レベルの完全食品である大きな理由が他にもう一つあります。それは、現代人の多くは、プーファ（多価不飽和脂肪酸）という酸化しやすい油（オリーブ油、ごま油、米油など、ほとんどの食物油脂）のせいで、ブドウ糖（グルコース）が細胞内に入れず、血中で余っている状態（＝血糖値が高い）になってしまっています。それを解決してくれる鍵になるのが果糖（フルクトース）です。

グルコース【主たるエネルギー源】とフルクトース【細胞内にグルコースが入れるようにする】のコンビネーションであるはちみつは、まさに神レベルの万能薬なのです。

とは言え、糖を摂ることにまだ半信半疑の方は、まずは手軽に入手できる黒糖から始められても良いかもしれません。

※ はちみつを積極的におすすめするには、１つ大きな問題があります。実は、市販のはちみつ（オーガニックマーケットで購入したとしても）の９割に前述の身体に害のあるシロップが混ぜられてしまっているので、気軽に入手できないのが難点です。

これについては、鍼灸杏珠堂では、蜂蜜療法協会認定ハニーセラピストの資格を持った鍼灸師が、厳しい検査をクリアした安心・安全な蜂蜜を取り扱い、販売しています。

当院のはちみつについて　>>詳しく

※ 鍼灸杏珠堂は、HOLISTETIQUE（有限会社ルカプリス）正規はちみつ代理店です。

◆私たちの体は電気で動いている

では、仮に糖がしっかり摂れていたとして、そのエネルギーを身体がどのように使うかは、脳から送られる「指令」によって決定されます。

指令とは、例えば以下のようなものです。

①ライオンが追いかけて来た！

↓

②（ライオンという）ストレスを受たから、対応できるように血糖値を上げましょう！

↓

④より早く走るために、筋肉に血液がたくさん送ろう！

↓

⑤その代わり、皮膚や粘膜の血管はギュッと絞ってエコモードにしておきましょう！

このようなやり取り（指令）には「電気」が関わっています。

指令の発信元である脳は、電気信号と化学信号（ホルモン）を使って、上記のようなやり取りを行なっているのです。

◆凝った体には電気が通りにくい

この電気の流れがスムーズに行われないと、ゆくゆくは体が誤作動や機能停止にまで導かれてしまいますので、体内を「電気が通リやすい状態」にしておくことがとても重要なのです。電気が通りやすい状態とは、タンパク質が萎縮や硬結を起こした、いわゆる「凝り」（帯電）の状態になっていない体ということです。

現代の日本人の多くは、1日中の大半をPCの前で座っていることが多く、電磁波とブルーライトへの長時間の暴露、運動不足、ストイックな運動、間違った食べ方、などがあいまって、過剰な交感神経優位の過緊張状態に陥りやすく、体のあらゆる所が平常的に凝り固まり、帯電した、電気の通りにくい体になってしまっています。

◆鍼は電気の流れを整える

当院では、「電気を通しやすい体」にするために、下記の２つのアプローチを行っています。

筋組織そのものが、長期間の緊張や炎症、材料（コラーゲン）不足や、間違った食べ方によって材料（コラーゲン）の質が悪いことにより、萎縮や硬結を起こしてしまっている場合には、その部分に直接鍼をすることで、繊維化や石灰化してしまっている筋繊維を断ち切ることができます。
ちなみに、萎縮や硬結が起こっている部位には自力で電気や血液（酸素や栄養を届けたり、ホルモンの通り道でもある）が通うことはなく、放っておけばさらに硬くなるばかりでなく、範囲を拡げることも多く見受けられます。
硬結や萎縮にまでは至っていない、いつもは大丈夫だけど一時的に凝っている、または間違えた食べ方をしていて身体の組織そのものが電気が通りにくい状態になってしまっている場合には、鍼（ステンレス製）をすることで、自力で通せなくなっている電気の流れを他動的に起こすことができます。
人間の体には、経絡という、いわゆる「電気の通り道」が何本かあり、経絡にはそれぞれに対応した臓腑があるのですが、その経絡を鍼で刺激することにより、対応した臓腑に「優先的に働いてくださいね」という指令を届け、結果としてその臓腑の活性を促すことができます。